鴨肉はとてもヘルシーと聞きます。どんな優れた栄養価を持っているのでしょうか。
合鴨肉の栄養価について、専門家の方に伺いました。
平和学院衛生福祉専門学校栄養士科
鈴木恵美先生
特集へのご協力ありがとうございました♪
(越谷っ子スタッフ一同)
鴨肉はビタミンB1・B2などのビタミンB群や鉄を多く含有しています。 特にビタミンB2が多く、これはエネルギー代謝に関与し成長を促進し、 皮膚、爪、髪などの細胞の再生に関与しているので 「発育のビタミン」とか「美容のビタミン」などといわれています。
鉄は、女性に不足しがちなミネラルで、ご存知のように欠乏すると『貧血』になり、 動悸や頭痛、疲れやすくなるなどの症状が現れます。たんぱく質、ビタミンCと 一緒に摂取すると吸収が良くなります。
また、鴨肉には脂質に特徴があり、不飽和脂肪酸の含有率が高く、 中でも体内でDHAに変わるα―リノレン酸を多く含有しています。 不飽和脂肪酸は、血中コレステロールを下げ、生活習慣病予防に役立ちます。 但し、酸化されやすいので注意が必要です。脂肪酸はその組成により飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、 多価不飽和脂肪酸に分けられます。飽和:一価 : 多価 を3:4:3で摂取すると良いとされています。
成分表の通り、鴨肉はこのバランスに比較的近い脂肪酸を含んでいます。 調理上では、不飽和脂肪酸が多いと脂の融点が低いので、つまり口溶けが良いので 鴨肉は冷製でも美味しくいただけるのです。
鴨肉の鉄は、自身のたんぱく質と葱のビタミンCにより吸収が促進され、 ビタミンB1は葱の辛味成分(アリシン)が吸収を促します。 これらのビタミンは水溶性ですので加熱する場合は、煮汁ごといただけるものが良いと思います。
さらに人参などの緑黄色野菜に含まれるカロテンは、油脂に溶け吸収されやすくなりますので補足すると効果的です。
ですから、『鴨ねぎ鍋』は味の相性だけでなく、栄養的相性も良いといえます。
肉類の栄養価(5訂増補食品成分表より) 食品100gあたりの栄養価
栄養素 | 合鴨(皮付・生) | 牛(もも脂身付・生) | 豚(もも脂身付・生) | 鶏(むね・皮付・生) |
飽和 | 8.02g | 5.70g | 5.47g | 5.19g |
一価 | 13.32g | 8.98g | 6.71g | 8.20g |
多価 | 5.66g | 0.52g | 1.52g | 2.37g |
ビタミンB2 | 0.35mg | 0.20mg | 0.19mg | 0.08mg |
鉄 | 1.9mg | 1.0mg | 0.5mg | 0.3mg |